ゆとりーなの日記

日記的な事を書いて行くと思はれる

ぼく明日を見てきた話

本來であれば去年の綠色テロ*1の時の景氣附けに見る豫定だつたのだが、その日は急󠄁遽大阪に行くことになり鑑賞が延󠄂期となつてゐたぼく明日こと「ぼくは明日、昨日の君とデートする」を昨日見てきた。この映畫が槍玉に上がつた切掛は以前󠄁に「高慢と偏見とゾンビ」を見た時の宣傳で妙に引掛かりを覺𛀁たことにある。單純な異性愛者󠄁同士の純愛話ではなくSF要󠄁素を絡めてどうも最後は結ばれないらしいと云ふプロットを讀取り、絕對的なものは得られないと云ふ話が好物な自分󠄁にとつてはなかなかに興味を惹かれる番宣であつた。Twitter等で話題にしてゐる層󠄁を眺めてみたがどうもうちの國とは距󠄁離が遠󠄁い人達󠄁の間での評󠄁判󠄁が良いやうで、實際國民服󠄁を着たをつさんが1人で見に行くやうなものではなささうだと薄󠄁々感じてはゐたが、なにはともあれ豫定してゐたことであるのできちんとフラグは回收した。
こゝからネタばれを含むので一應警報を出しておくが、この話は亂暴に纏めると「主人公󠄁とヒロインの時間の進󠄁む方向が逆󠄁なんでどうにもなりませんね」と云ふお話である。謎解き要󠄁素はほゞなくタイトルで半󠄁ばバラしてゐるやうなものだし、輕く眺めてゐるだけでもわりとすぐその事實は察することができる。と云ふか中盤くらゐでヒロインがそれを打ち明けるので、この現象を認󠄁識した上で主人公󠄁はどう動くかと云ふ方がメインなのであらう。肝腎なこのSF要󠄁素であるが、時間が完全󠄁に逆󠄁なのであればヒロインは夜から朝󠄁に進󠄁むのでは?と突󠄁つ込󠄁みを入れたくもなるが、これは1日の進󠄁み方(時、分󠄁、秒)は同じなのだが日附の越𛀁方が異なると云ふ異世界なのだと解釋すれば比較󠄁的すんなり納󠄁得できる。要󠄁するに主人公󠄁サイドは0時になると普通󠄁に日附をインクリメントするが、ヒロインはデクリメントすると云ふことである。ゲームのバグみたいな話だが、それぞれで繫がる先が違󠄂ふと云ふわけだ。そこにヒロイン側は主人公󠄁側の世界に30日間しかゐられないと云ふ制約が加はることで二人の關係に有限性が生まれることになる。
そんな訣で主人公󠄁目線で見ればヒロインとの出會つた初日がヒロインにとつての最終日、主人公󠄁にとつての30日目(お別れの日)は實はヒロインにとつての初日と云ふことになるのである。主人公󠄁はこの事實を知つてヒロインのデートでの行動は總て主人公󠄁の爲の云はば接待のやうなものであると云ふことに耐へられず(ヒロイン側の初日に主人公󠄁からヒロインは今迄何があつたのかを聞いて、その通󠄁りにヒロインは行動するのである)、思ひ出の共有がない交󠄁際など無意󠄁味であると云ふ我々持てざる者󠄁みたいなことを言出し(實際この事案が起󠄁きるまでは間違󠄂ひなく我々側の人間である)暴走するのだが、最終󠄁的にヒロインの方がよりつらくないかと云ふことに氣附き殘りの時間をイケメンの如く大切に過󠄁すと云ふ良い話で終󠄁る。
さて、この話はどう見ても非對稱󠄁である。ヒロインは接待をしてくれてゐるので主人公󠄁側は一應は交󠄁際が進󠄁んで行くルートを味はふことができる。しかしヒロインはさうではなく、主人公󠄁が段々と他人になつて行くルートを進󠄁まなければならない。これはヒロイン側がこの世界から見たら部外者󠄁であると云ふことから納󠄁得させることも可能ではあるが、それにしても主人公󠄁側の方が大分󠄁美味しい話である。映畫では一應主人公󠄁サイドが終󠄁つたあとにヒロインサイドで走馬燈のやうに今迄を振返󠄁るシーンがあるのだが、結局そのシーンを見てヒロインの心に共感してみても、こちらの爲にそこまでしてくれたんだ、壓倒的感謝、と云ふ主人公󠄁側の心に回收できてしまふ。結局この30日間のできごとで有限性を自覺した上でそれを生への實感として正統に昇華できるのは主人公󠄁側なだけなやうに思へるのだが、どうも一般には女性ウケが良い話だと云ふのだから人間の嗜好は分󠄁らないものである。
結論としては、自分󠄁も主人公󠄁側のやうな體驗をして生を實感したいと思つた、と云ふ雜な感想を抱󠄁いたところで今日の日記の締めとさせて頂く。

*1:12月󠄁24日の夜に綠一色の服󠄁を着込󠄁みデートスポットに乘込󠄁んでカップルを眺め乍ら3分󠄁間憎󠄀惡をすると云ふ非モテをこじらせ盡くしたゆとり國の風習󠄁